研究課題/領域番号 |
08454008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小池 正夫 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (20022733)
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研究分担者 |
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (70202017)
吉田 英治 九州大学, 大学院・数理学研究科, 講師 (20220626)
末吉 豊 九州大学, 大学院・数理学研究科, 講師 (80128040)
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キーワード | 楕円曲線 / 有限体 / 超幾何関数 / j-関数 |
研究概要 |
有限体上の超幾何多項式は超特異楕円曲線の不変量を根に持つ多項式として、最初に研究された。いくつかある楕円曲線の族に対してその楕円曲線が超特異であるという条件で超幾何多項式を定めれば、楕円曲線の基本的な不変量であるj不変量を計算することで変数の変換式が得られる。この変数変換式が超幾何多項式の間に成り立つ変換公式を証明する手段の一つとして使えた。さらに一般に有限体の超幾何多項式の2次変換公式は楕円曲線の族を必要としない。 これらの変換公式の応用としてSL_2(Z)とcommensurableな三角群に関する保型関数で超幾何関数と極めて密接な関係を満たすものを取り出すことに成功した。それはj関数の完全な類似物といってよい。j関数の完全な類似物という理由はその定数744をこめたという意味で言う。j関数を孤立したものと考えないとする、ConwayとNortonが発見したThompson級数の立場ではその定数項はゼロと定めるしかない。Thompson級数に適当な定数をうまく選んではじめて理論がうまくいくj関数の研究があると信じる。そのようなものとして、K3曲面のMirror Mapの逆としてThompson級数が現れるとする研究でも、適当な定数を足したものが実際は現れている。その定数こそ我々が見つけたものと一致することがわかる。6つの例があるだけだが、この理由を探ることが次の目標になる。 金子が浅井、二宮と一緒に研究したj関数をヘッケ作用素で変換して得られる多項式のゼロ点が0と1728の間にあることの応用として、上に述べたMirror Mapのq展開の係数が、正負交互に現れることが証明できた。この性質は実験的に、上に上げた6つの例でも成り立つことが観察される。これらを統一して扱うことが期待される。 j関数の定義はいくつか知られているが、そのなかで超幾何微分方程式を利用することの意味が、まだ未開拓の余地があるという見識が得られた。この方向をさらに追求する。
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