研究分担者 |
三上 敏夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70229657)
津田 一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10207384)
上見 練太郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10000845)
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50168431)
岩田 耕一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20241292)
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研究概要 |
(1)ボソン-フェルミオンフォック空間上のDirac作用素のある一般的な族が強反可換であるための必要十分条件を基礎ヒルベルト空間上のDirac作用素の族の強反可換性を用いて特徴づけた.これは,超対称的場の量子論への応用においても重要な定理である. (2)一般化されたスピン-ボソンモデルの研究.通常のスピン-ボソンモデルは,二つのエネルギー準位をもつ"原子"と無限自由度のボソン系の相互作用を扱うモデルであり,これについてはこれまで多くの研究がなされてきた.筆者らは,このモデルを一般化し,原子系の部分が任意の数のエネルギー準位をもつような場合をも扱えるモデル-一般化されたスピン-ボソンモデル(generalized spin-boson (GSB) model)-を提唱し,研究した.GSBモデルについて,非摂動的に基底状態の存在を証明し,存在の一意性の十分条件を確立した.この場合,ボソンの質量が0の場合にも基底状態の存在が証明されたことは特筆すべきことである(一般に,質量が0の場合の扱いは数学的に難しい). (3)非相対論的な場の量子論にあらわれる埋蔵固有値の摂動問題をヒルベルト空間によって添え字づけられた正準交換関係の表現論の観点から考察し,あるクラスの理論の構造を明らかにした.この場合に鍵となる概念は,非可逆的ボゴリューボフ変換である. (4)有限次元のシュレ-ディンガー作用素の最低エネルギーの下からの評価に関して,新しい評価を導出した.これを無限次元の場合へと拡張することは次の課題である.
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