研究分担者 |
斎藤 和之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60004397)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
増田 久弥 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10090523)
立沢 一哉 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80227090)
新井 仁之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10175953)
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研究概要 |
掛谷の極大関数の精密な評価は,ある種の振動積分の評価.多変数フーリエ解析において重要な役割をはたす.しかし3次元以上の場合は,予想される評価問題は解決していない.猪狩は,特殊な基底に対して定義される掛谷の極大関数に対して,予想される評価が成り立つ事を示した.この結果は,いくつかの知られている評価を与えることがわかってきたが,最終的な評価を得るための手がかりをあたえるものと考え,研究を進めている. 新井は,境界のすべての点で楕円性が退化するような楕円型偏微分作用素を調和の視点から研究した.シュタイン多様体の強擬凸領域やテーター構造を持つ多様体,有限型領域等の境界で退化する楕円型偏微分作用素に関する調和解析の理論の基礎をつくり,現在その論文を準備中である.また,特異楕円型偏微分作用素の調和解析を拡散過程をい使って研究したその結果,多変正則関数の各点ファトウ問題解決への十分可能性のある糸口を見出した. 立択は,ウイルソン基底及びガボーフレームを用いて,擬微分作用素の解析を行った.つまり,ウイルソン基底を固有関数の代用として,作用素の性質を調べることを行なった.これによって,従来のものとは異なる,作用素の表象のある値を用いた固有値の漸近評価が得られ,さらに固有値の個数の漸近評価を与えることができた. 堀畑は,ある函数のクラスに於いて与えられたディリクレ積分の最小化函数でない調和写像を見つけることが目標とし,調和写像に付随した熱方程式系について,弱解の存在,正則性,部分的正則性,解の時間的挙動を研究した.時間を差分化する方法によって,弱解の性質について一定の結果をえた. 増田は剱持との共同研究によって,極小曲面にかんするある常微分方程式系の解の性質を詳しくしらべ,最終的に,そのシステムのすべての場合に,非自明な共通解の非存在を証明した.その結果を利用し,複素2次元複素空間形内の一定ガウス曲率を持つ極小曲面を分類に成功した.
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