研究分担者 |
高村 博之 筑波大学, 数学系, 助手 (40241781)
筧 知之 筑波大学, 数学系, 講師 (70231248)
山崎 満 筑波大学, 数学系, 助教授 (30240732)
柴田 良弘 筑波大学, 数学系, 助教授 (50114088)
梶谷 邦彦 筑波大学, 数学系, 教授 (00026262)
|
研究概要 |
まず,(古典)解析の立場から佐藤超函数論を見直し,基本的な諸結果を導いた.そのために,Schwartz空間Sに対して,{exp[ε<ξ>]u(ξ);u∈S′}のFourier(逆)変換像S′_εを考え,佐藤超函数の空間を∩_<ε>0>S′_εの局所空間とみなせることを用いた.さらに,このことから,S′における擬微分作用素・Fourier積分作用素のカルキュラスをS′_εに拡張することによって,佐藤超函数に対する(古典)解析的擬微分作用素論・超局所解析を確立した.偏微分作用素(及び擬微分作用素)の研究において,Schwartz超函数の枠組みで従来用いられていた手法が,S′_ε(特に佐藤超函数の空間)に対しても適用できるようになり,Schwartz超函数,ウルトラディストリビューション(及びGevrey族),佐藤超函数(及び解析函数)の空間における偏微分作用素の研究を,例えば,アプリオリ評価(エネルギー評価)の導出という観点から統一的に取り扱えるようになった.特に,解析的擬微分作用素に対して,解析的特異性の伝播定理,解析的準楕円性に関する結果等をアプリオリ評価を用いて導いた.また,準楕円性と局所可解性の関係についても,Schwartz超函数の枠組みでも結果と同様であることを示し,さらに,アプリオリ評価を用いて局所可解性についてもいくつかの結果を得た.偏微分作用素の研究をアプリオリ評価の導出という観点から捉え,研究分担者と協力して,種々の問題に対してアプリオリ評価の導出を試み,多くの結果を得た.この他,関連する問題が分担者により研究され,今後,これらの結果が偏微分作用素の研究に用いられ,多くの成果が得られるものと期待される.
|