研究課題/領域番号 |
08454027
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森本 芳則 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (30115646)
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研究分担者 |
畑 政義 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (40156336)
西和田 公正 京都大学, 総合人間学部, 教授 (60093291)
木上 淳 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (90202035)
宇敷 重広 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (10093197)
浅野 潔 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90026774)
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キーワード | 準楕円性 / 擬微分作用素 / Gevrey class / Wick calculus. / Navies-Stokes / 再生関数 / 不動点 / ガウス算術平均 |
研究概要 |
シンボルの統計的諸量により無限次で退化する作用素の正値性を特徴付ける視点から、偏微分方程式の解の存在と解の構造を擬微分作用素論、フーリエ積分作用素論を用いて超局所的に解析した。また、関連する非線形偏微分方程式の解の存在定理、解析不変量の問題について、実関数論、確率論的な観点から考察した。代表者は、ある種の2階退化楕円型作用素のGevrey classにおける準楕円性が係数関数の区間平均の比較によって特徴づけられることを示した。また、Egorov型と呼ばれる1階擬微分作用素のあるクラスについて、regularity lossが2つ起こるにもかかわらず、準楕円型であることを示した。更に、作用素の正値性及び、irregularなシンボルの解析の為、Wick calculusと呼ばれるある種の窓枠フーリエ変換の理論を検討し、Wick作用素の積についての展開公式を与えた。また、その展開公式を用いてある種の分散項をもつ方程式の初期値問題がL^2適切性であることを示した。分担者、浅野は、超局所解析理論の応用として気体分子運動論及び流体力学に現れる遷移現象の研究を行い、3次元の球に沿って流れる粘性流の境界層の構成、及び主流と境界層との干渉としてのNavies-Stokes流の表現に関する結果を得た。また、3次元内部領域における、ある意味で小さな初期値に対するBoltzman方程式の時間的大域解の存在を示した。分担者、宇敷は、解析的不変量の研究として、Ecalleの再生関数の理論を複素力学系へ適用し、特に放物型不動点についてEcalleの手法を定式化した。分担者、木上は、方程式の解の構造に関連して、non-regularなharmonic structureから定義される自己相似なDirichlet formの性質を調べた。分担者、西和田は、微分方程式の解の接続問題と、ガウス算術平均の分布に関わる数論的原理の関係について研究した。分担者、畑はC^∞関数と正則関数を対比する観点から、Taylor展開の係数が有理数である、ある種の正則関数のクラスについて、有理点における関数値の算術的性質をパデ近似の方法を用いて研究した。
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