研究分担者 |
竹井 義次 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00212019)
室田 一雄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50134466)
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10027386)
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
河合 隆裕 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027379)
|
研究概要 |
特異摂動理論のNavier-Stokes方程式への応用に関し、岡本久は同方程式の新しい厳密解を発見し,その流体力学的な性質を解明した.そのひとつは,TamadaとDorrepaalによる「斜めにぶつかる淀み点流」の3次元版であり,もうひとつはLerayによる相似解のスキームの解の発見である.特に,合流型超幾何関数で表されるものを多数発見した.Navier-Stokes方程式の定常解のうち,境界で流体の出入りがあるものを考え,その安定性を調べた.ある種の解はいくらReynolds数が大きくなっても安定性を失わないという結果を得た.また,2次元渦層が背景流としてのせん断流の中でどのように振舞うのかを,渦法という数値計算法を用いて数値計算で調べた.これまで2次元渦層の研究はそれ自身の振舞いが調べられてきたが,渦層と,せん断流などとの相互作用は本研究が始めてである. 河合隆裕と竹井義次は代数解析の手法を用いて特異摂動理論を研究し,パンルベ方程式との興味ある関係を導いた.その結果に一端は、河合・竹井著、「特異摂動の代数解析」、岩波書店から近日刊、にも発表される予定である。 室田一雄と岩田覚は数値線形代数理論の研究を通じて本研究に貢献した.特異摂動問題を離散化すると条件数の大きな行列あるいは独特の構造を持つ行列が現れる.こういった行列に関する連立方程式の解法には離散数学の手法が役に立つ.室田は精度の改良や高速化に関する多くの方法を提唱し,その有用性をしめした.
|