研究課題/領域番号 |
08454029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河合 隆裕 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027379)
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研究分担者 |
伊原 康隆 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (70011484)
齋藤 盛彦 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10186968)
室田 一雄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50134466)
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
竹井 義次 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00212019)
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キーワード | 代数解析学 / 特異摂動 / 完全WKB解析 / Painleve函数 / Schrodinger方程式 / Multiple-scale / 複素フーリエ解析 / 接続公式 |
研究概要 |
本年度は特異摂動論の内、特に非線型微分方程式の構造論に関連する部分に研究の重点を置いた。 得られた成果の内最も著しいものは代表者と分担者竹井によるPainleve方程式の2-パラメタ解の構造に関する結果であり、これは、その重要性に鑑みProc.Japan Acad.A-72(1997)pp.144-147に要旨を速報した。その内容は「(Multiple-scaleの方法で構成した)任意のPainleve方程式の任意の2-パラメタ解は、局所的には、パラメタを然るべく選んだI型Painleve方程式の解に変換される。」と約言できる。しかもこの変換が、Painleve方程式の背後にある、より大きな空間上のSchrodinger方程式の変換によって定められることも重要な事実であろう。さらにこの研究結果はPainleve函数の接続公式に重要な知見を与えるばかりでなく理論的にも、上述のSchrodinger方程式に含まれるパラメタに関し、これ迄知られていなかった新種の変形の可能性を強く示唆して理論の一層の深化をもたらすに至った。この間の事情については本年1月に開いた数理研でのワークショップ「完全WKB解析と複素フーリエ解析」(代表者;河合隆裕)の報告集(近刊)で報告の予定である。(河合-竹井)又、このワークショップではフーリエ級数の“grouping"の解析的意味についても興味深い議論がなされ、それも併せて報告(河合-Struppa)の予定である。 尚、平成8年7月には“EU支援によるSummer School"(於リスボン)で「特異摂動の代数解析学」に関する連続講演を行うよう依頼を受けたので河合と竹井が手分けして完全WLB解析の微分方程式論への応用を中心に1週間の連続講演を行った。その講演を中心に「特異摂動の代数解析学」と云う一書をまとめ、岩波書店より近刊の予定である。
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