研究課題/領域番号 |
08454029
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河合 隆裕 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20027379)
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研究分担者 |
小嶋 泉 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (60150322)
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
室田 一雄 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50134466)
伊原 康隆 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (70011484)
竹井 義次 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00212019)
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キーワード | パンルヴェ函数 / 接続公式 / multiple-scale / ストークス曲線 / 変り点 / ボレル和 / 保型函数 / 微分方程式の変形 |
研究概要 |
前年度に得られた2-パラメタパンルヴェ函数の構造定理(河合-竹井、Adv.in Math.に印刷中)を用いてパンルヴェ函数の接続公式を整備しつつある。今年度は特にパンルヴェIII,V,VIの取扱いを目標に特異点の近傍での漸近解析を試みた所、予想外のストークス図形の切替のパターンに遭遇し(二重変り点から出て(特異点と単純変り点を囲む形で)その二重変り点に戻るストークス曲線の出現)現在(平成10年3月)青木、竹井と共に河合は極めて興奮している。又、特異点の近傍でのパンルヴェ・ハミルトニアン系の構造論として高野により数年前に確立されたある還元定理を特異摂動論的に整理し直すことによりmultiple-scale analysisに依らないより直接的な2-パラメタ解の構成法が竹井により発見された(近刊予定)ことも理論の整備に際し重要な役割を果たすと思われる。又、このようなパンルヴェ函数及びその背後にあるシュレ-ディンガー方程式の特異摂動論に於る進展を踏まえて高階方程式の構造論を模索している。特に保型函数の逆函数、即ち、polymorphic函数、をまず手始めに調べて、特異摂動論的な解(1-パラメタ解)が、非線型微分方程式は一般には自然境界を持つ解を許容すると云う(余り広く認識されている訳ではないが極めて重要な)事実の解明に有用であることを示した。今後の高階方程式の特異摂動論的解析に於て一つの出発点となると考えている。又同時に理論物理学に於る特異摂動論の興味ある一例として小嶋等による有限温度での場の量子論での(ファインマン流の)摂動展開の超局所解析に関する議論を始めている。
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