研究課題/領域番号 |
08454031
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (70155208)
|
研究分担者 |
濱名 裕治 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (00243923)
杉田 洋 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (50192125)
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (70144631)
吉川 敦 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80001866)
宮川 鉄朗 神戸大学, 理学部, 教授 (10033929)
|
キーワード | 非線形方程式 / ナビア=ストークス / 漸近挙動 / 弱解 / 減衰オーダー |
研究概要 |
まず非線形方程式系の解の漸近挙動に対する解析的手法により得られた結果について述べる。n次元ユークリッド空間(n≧3)上の停留なナビア=ストークス流がフェファマン=ステインのハ-ディ空間もしくはL^1で安定となるための条件を見出した。さらに、その摂動に対して、長時間漸近挙動を調べ、正確な減衰(t→0)のオーダーを導出した。また、2(もしくは3)次元ユークリッド空間における摂動されたナビア=ストークス方程式の大域的な弱解の存在を示し、更に構成された弱解の運動エネルギーの減衰の代数的な割合について結果を得た。このエネルギー減衰を用いて、適当な条件のもと更に、この弱解がハ-ディ空間において減衰することを得た。更に仮定を強めれば弱解がL^1でも減衰することを証明できた。 次に確率論的手法による結果を述べる。無限次元空間であるウィナー空間上に於ける停留位相の問題にたいし、実空間の新たな複素化を導入することで、長時間漸近挙動t→∽の確率論的対応物とも言える停留位相の問題について知見を得た。まず、一般の解析的な相関数と解析的な振幅関数を持つ確率振動積分に対してその漸近挙動のオーダーを評価出来た。とくに相関数の微分に強い可積分性を仮定すると指数減衰の出現することを見出した。また、相関数が2次形式であり、振幅関数が有限次元ウィナー=カオスである場合には漸近挙動を厳密に求めることが出来た。この場合に用いられたウィナー=カオスのスケルトンに対する考察は無限次元空間での漸近理論の困難さを物語る一つである。
|