研究課題/領域番号 |
08454036
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
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研究分担者 |
堤 誉志雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10180027)
谷島 賢二 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80011758)
楠岡 成雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00114463)
長田 博文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20177207)
三村 昌泰 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50068128)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 流体力学極限 / 無限粒子系 / 確率解析 / 非線形現象 / 非線形偏微分方程式 / 相分離 / 界面 / ギ-ズブルグ・ランダウモデル |
研究概要 |
本研究によって得られた主な成果は、以下の通りである。 1.多次元格子気体の平衡揺動を考察し、無限次元のOrnstein-Uhlenbeck過程が極限で得られることを示した。その特性量は、流体力学極限により求まる拡散係数と一致することがわかった。 2.ノイズをもつ反応拡散方程式について、特異摂動により極限で現れる相分離境界は、ランダムな摂動をもつ平均曲率運動に従うことを証明した。 3.実効的Ginzburg-Landau▽φ界面モデルに対し、巨視的スケール極限をとった後に、界面方程式として拡散係数が表面張力関数のHesse行列となるような非線形拡散方程式が得られることを示した。さらに、対応する大偏差原理を考察し、速度汎関数の表示に同じ表面張力関数が現れることを明らかにした。 4.個体液体相のような相変化を伴う媒質を考え、それを微視的にモデル化して得られる2種粒子系を考察した。流体力学極限の手法に基づいて、相変化境界の巨視的な運動を記述する自由境界問題、いわゆるStefan問題を導出した。さらに潜熱の効果を微視的観点から考察した。 5.分数冪ラプラシアンをもつBurgers方程式について、解析的手法により大域解・局所解の存在と一意性及び、その正則性などに関する結果を得た。分数冪のオーダーに依存して異なる結果が得られた。また、確率論的手法に基づき、対応する非線形Markov過程を構成し、カオスの伝播を示すことにより多粒子系から分数冪ラプラシアンをもつBurgers方程式が導かれることを証明した。 以上のような研究成果に基づき、今後は相分離の問題の研究を種々の見地からさらに深化させていく計画である。
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