研究分担者 |
森本 宏 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (20115645)
松原 洋 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (30242788)
安本 雅洋 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10144114)
篠田 寿一 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (30022685)
井原 俊輔 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (00023200)
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研究概要 |
超有限ハイゼンベルク群を含む位相群のユニタリ表現を超準解析学を利用して構成するための研究により,次の成果を得た. 1. Glimm-JaffeによるCCRの非Fock表現の構成と,Kelemen-Robinsonによるその超準的構成法を一般化して,位相群のユニタリ表現の超準拡大から得られる新しいユニタリ表現として超準包を定義して,その巡回部分表現が強連続になるための十分条件を与えた. 2. 次に,位相群の近似ユニタリ表現という新しい概念を導入して,その標準化により得られるユニタリ表現の巡回部分表現が強連続になるための十分条件を与えた.この構成法により,超有限ハイゼンベルク群の表現からハイゼンベルク群の強連続ユニタリ表現がえられることが示される. 3. 近似ユニタリ表現の構成法によって,いくつかの非Segal表現が得られることを示し,とりわけ,Araki-WoodによるCCRの表現がこの方法で再構成されることが示された. 量子物理学への応用に関して,次の成果を得た. 1. 観測問題に対する新しいアプローチを提案した.このアプローチでは,測定過程はHeisenberg描像で記述され,対象とプローブの微視的相互作用で表される第1段階と無限大の利得をもつ量子増幅過程として超準解析を利用して記述される第2段階に分けられる. 2. 量子状態収縮の厳密な理論を構築するために,射影仮説によらずに量子力学的結合確率分布を導く局所観測定理を証明し,それと量子Bayes原理に基づいて量子状態収縮の理論を演繹的に展開した.
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