研究課題/領域番号 |
08454046
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
池田 信行 立命館大学, 理工学部, 教授 (00028078)
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研究分担者 |
高山 幸秀 立命館大学, 理工学部, 助教授 (20247810)
夏目 利一 立命館大学, 理工学部, 教授 (00125890)
荒井 正治 立命館大学, 理工学部, 教授 (20066715)
山田 俊雄 立命館大学, 理工学部, 教授 (10037749)
新屋 均 立命館大学, 理工学部, 教授 (70036416)
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キーワード | 確率解析 / Wiener測度 / 経路積分 / Van Vleckの公式 / Jacobi場 / Selbergの跡公式 / 局所時間 |
研究概要 |
1。池田が中心になり、確率解析的方法による研究でLagrangianが2次形式の場合のFeynmanの経路積分に対するVan Vleckの公式に相当するものがWiener積分の場合にも一般の条件の下に成立することを示した。さらにVan Vleckの行列式と、微分幾何学の研究で重要な役割を果たす、Jacobi場との関連を明かにした。またここに現われる2次形式が、経路空間上のJacobi場による変数変換で標準化出来て、その変数変換のJacobianとしてVan Vleck行列式が現われることを明かにした。 2。池田は上半平面に実現したPoincare平面の上の熱方程式の基本解の厳密な具体的表現を使うことなく、基本解がWiener空間の上の一般化された積分の形に表現されることだけを用い、Selbergの跡公式を直接証明することに成功した。このことにによりSelbergの跡公式に古典力学的な量が現われる事情が明確になった。なおこの公式は最初は群の表現論を用いて示されたもである。さらに基本解の厳密な具体的表現もWiener空間の上の解析として無限次元的方法で示される。 3。山田はBrown運動の局所時間の主値に関する成果を得た。また夏目はAtiya-Singerの指数定理と量子力学における古典近似の関連について、荒井はSchrodinger作用素の固有関数について研究し成果を得た。さらに高山は情報科学の立場から研究成果を得た。 4。今後の問題としては保型形式に作用する作用素についてのSelbergの跡公式を一様な磁場をもつ場合のSchrodinger作用素の確率解析的方法による研究として、上に述べた方法と類似の形で解明することが期待される。
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