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1996 年度 実績報告書

電子陽電子対を生成する三次元パルサー磁気圏の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08454047
研究種目

基盤研究(B)

研究機関山形大学

研究代表者

柴田 晋平  山形大学, 理学部, 助教授 (90187401)

キーワード粒子加速 / 磁気圏 / パルサー / 中性子星 / 電子陽電子対 / プラズマ / 数値シミュレーション
研究概要

従来電波パルサーとして知られていな高速回転する磁化した中性子星(パルサー)が強いガンマ線源であることが、観測技術の発展により、最近明らかになってきた。パルサー磁気圏では相対論的エネルギー(数TeV)に粒子が加速され、電子陽電子対プラズマが生成、再加速され(パルサー風)、それからの放射が観測されたと考えられている。しかし、粒子加速の機構や放射機構を理解するに至っていない。
回転する磁化した中性子星の磁気圏の、特に、放電のダイナミクスを理解することが目的となる。本研究課題では、特に次の研究に焦点を置いた。
(目的〜1)電子陽電子対プラズマの中で加速電場の形成がどのような機構で起こるか。
(目的〜2)より現実的なモデルにするため、パルサーの回転軸と磁軸が斜めになった系(完全に3次元の問題)の構造を解く。
(目的1)について
これまで電場の形成機構には大きく二つの学説があった。しかし、それらが単に仮定する電流密度の違うために異なった解の振る舞いを拾っていたことを示した。この研究によって、電場の形成仮定の基礎理論はほぼ完成の域に達したと思われる。電流密度がどのようにして決まるかはグローバル磁気圏の問題であり、今後の課題となった。
加速電場は電子陽電子対が形成するとシールドされる。そのシールドプロセスを計算した。その結果、シールドするために必要な電子陽電子対の密度は今まで予想されていた密度(Goldreich Julian density)よりはるかに大きくなければならないことが示された。
(目的2)について
放電過程の3次元シミュレーションのために多対問題専用計算機を用いたコードを開発中である。専用計算機とホストコンピュータを接続するVME-Bus変換器にトラブルが続きその修理に時間がかかった。現在、専用計算機が無事稼働し、プログラムを開発中で結果を出すのは次年度に持ち越された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Shibata他11名: "Heated Polar Caps in PSRs 0656+14 and 1055-52" The Astropysical Journal,Letters. 165. 35-38 (1996)

  • [文献書誌] 柴田晋平: "宇宙の巨大加速器" パリティ(丸善). 12-2. 8-13 (1996)

  • [文献書誌] S.Shibata他11名: "X-ray Nebnla around the Gamma-ray Pulsar PSR1055-52" The Astropysical Journal. (印刷中). (1997)

  • [文献書誌] S.Shibata他6名: "Detection of Magnetospheric X-ray Emission from Millisecond Pulsar B1821-24" The Astropysical Journal,Letters. 477. 37-40 (1997)

  • [文献書誌] S.Shibata: "The Field-Aligned Accelerator in the Pulsar Magnetosphere" Monthly Notices of Royal Astronomical Soci.(印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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