研究課題/領域番号 |
08454053
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (40135299)
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研究分担者 |
松尾 宏 国立天文台野辺山宇宙電波観測所, 助手 (90192749)
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 次世代探査機センター, 助教授 (20202210)
芝井 広 宇宙科学研究所, 共通基礎研究系, 助教授 (70154234)
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キーワード | サブミリ波 / GaAs / 光伝導型検出器 / 液相エピタキシ |
研究概要 |
本開発研究の目的は、検出技術の遅れから天文観測が進んでいないサブミリ波帯で高感度のフォトン検出器を開発することにある。開発の中心波長200〜300μmに感度を持つGaAs光伝導検出器である。 GaAs光伝導型検出器では、光に対する感度を持たせるためにn型不純物をドープするが、ここで意図しないp型の不純物濃度をいかに低く抑えられるかが、高感度検出器を開発できるかどうかの鍵となる。平成8年度は、GaAs結晶を試作するための液相エピタキシ装置の組み立てを行った。最初の試作の目標は、n型不純物もドープしない超高純度のGaAs結晶を作ることである。これが完成した後、n型不純物をドープした検出器の試作に進むことができる。 液体窒素温度での易動度が20万cm^2/Vsを超える超高純度のGaAs結晶は日本でも試作された実績があるが、現在この技術は跡絶えている。われわれは超高純度結晶成長のノウハウの調査を行い、それらに基づいて液相エピタキシ装置の組み立てを行った。具体的には、現有の電気炉、石英反応管、水素純化装置を用い、電気炉の制御装置および真空排気装置の設置、結晶成長の雰囲気ガスやパ-ジ用のガス配管、冷却水配管等を行った。交付申請時の計画では今年度中に最初の結晶の試作まで進む予定であったが、結晶成長の雰囲気ガスである高純度水素ガスの配管の設計を見直す必要が生じたため、計画に遅れを生じている。しかし現在までに装置の組み立てはほぼ終了し、検査・調整を経て、平成9年5月に最初の試作を行うことができる見通しである。
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