研究課題
基盤研究(B)
本研究の目指すものは、超広視野光学望遠鏡システムの基礎開発を行うものである。本年度の開発研究は次のようであり、残された研究は引き続き来年度に持ち越される。(1)光学系の試作:口径20cmの反射望遠鏡を試作し、特性試験を行った。望遠鏡はF3で接眼レンズでコマ収差をほぼ目標のCCDの素子の大きさ以下(〜10ミクロン)まで補正できた。色収差も10ミクロン以下に補正でき、フィルターをつけて同一のCCD表面で焦点を合わすことができた。これらの結果は室内の試験光源を使った実験で確かめた。(2)焦点面検出器:大型のCCDを購入し試験観測をした。2インチ角のものでほぼ5度の視野をもつ星像を撮影できた。周辺収差もこの範囲ではCCDの1素子以内に押さえることができた。(3)望遠鏡を固定してCCDのクロックで星の日周運動を追う回路と試験観測を行いほぼ満足な結果が得られた。CCDの汎用駆動回路を新しく試作し、実験中であるがソフトウエアの部分は今後の開発が残された。(4)計算機による大量データ処理のアルゴリズムの基礎の開発をおこなった。この研究は来年度も継続する予定である。上記(2)と(3)については野外観測実験の結果である。今後の研究として、光学系の波長による観測効率の特性試験とフィルター特性試験が残っている。また、2つの望遠鏡を離した所において近い天体の視差の計測試験も残っている。個体撮像素子CCDは既製品を購入しているため、この研究に必要な高速の読み出し用のCCDの試験はできていない。このためには将来CCDそのものの開発が必要である。このために要求される仕様等の基本データをとることができた。
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