研究概要 |
本研究課題では、当初の計画に従ってジェット現象をみせる活動銀河核の観測的研究と、硬X線検出器の開発実験を行なった。以下に項目に分けて簡単に示す。 1.電波銀河CentaurusBの観測結果を解析、結果を論文として投稿、受理され現在、印刷中である(Tashiro et al.,1998,ApJ,499 in press)。これは第二の電波ローブからの逆コンプトンX線の検出例であり、電波ローブ中の粒子のエネルギーが磁場のそれを有意に上回っていることを観測的に示した、最初の例である。 2.電波銀河NGC612の観測結果を解析、結果を国際学会などで口頭発表した(Tashiro et al.,in "Relativistic Jets in AGNsほか)。これは電波ローブからの逆コンプトンX線の第三の検出例であり、電波ローブ中の粒子のエネルギーが磁場のそれを有意に上回っている可能性を示唆する結果が得られた。 3.BL Lac天体OJ287の「あすか」衛星による観測を行い、自己コンプトン散乱によるX線成分を検出、結果を論文として公表した(Idesawa et al.,1997,ApJ)。1997年にも追加観測をおこない、結果を解析中である。解析中である。 このほか、硬X線検出器の開発について、今年度は、CdTeダイオード検出器の基礎特性試験をおこなった。また、次世代検出器の基礎となるASTRO-E用HXD検出器の開発、製作、および性能試験をおこない、その特性データを蓄積している。
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