研究概要 |
本研究課題では、当初の計画に従ってジェット現象をみせる活動銀河核の観測的研究と、硬X線検出器の開発実験を行なった。以下に項目に分けて簡単に示す。 1. 電波銀河Centaurus Bの観測結果を解析、結果を論文として公表した(Tashiro et al.,1998,ApJ,499,713)。これは第二の電波ローブからの逆コンプトンX線の検出例であり、電波ローブ中の粒子のエネルギーが磁場のそれを有意に上回っていることを観測的に示した、最初の例である。 2. 電波銀河Fornax Aの再観測結果を解析、結果を国際学会などで口頭発表した(Tashiro et al.,in“ASCA Symposium"ほか)。この観測によって、電波ローブ中で粒子のエネルギーの高い領域と磁場の高い領域が分離していることを、はじめて観測的に確認した。 3. 「あすか」衛星による電波ローブ天体の観測の結果をまとめ、国際学会などで口頭発表した。(Tashiro et al.in“COSPAR scientific assembly E1.1")。収録は審査ののちジャーナルに掲載予定。 このほか、硬X線検出器の開発について、今年度は、次世代検出器の基礎となるASTRO-E用HXD検出器の開発、製作、および性能試験を継続した。とくに機上でのデータ処理ソフトウェアの開発と地上試験用のソフトウェアの開発を行った。
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