研究課題/領域番号 |
08454058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大塚 孝治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20201379)
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研究分担者 |
本間 道雄 会津大学, 総合数理科学センター, 講師 (40264569)
水崎 高浩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50251400)
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キーワード | 殻模型 / 量子モンテカルロ / アイソスピン / パリティ / Ge / Mn |
研究概要 |
本研究計画は我々の提唱した「量子モンテカルロ対角化法殻模型」による殻模型計算の方法論の開発と実際の場合への応用を行うことを目的としている。先ず、方法論の開発に関しては、平成8年度に入ってからも、それまでの開発作業を継続して、物理としての方法論の開発と計算機コードの開発の両者を平行して精力的に推進してきた。先ず行われたのは、確率論的に生成された基底同士を比較し、それらからもっとも重要なものを選択する、または、それらの最も効率的なl次結合を採る、などのプロセスを導入して、殻模型計算に用いる基底生成を一層効率良くする事である。これらにより、ある決められた次元のヒルベルト部分空間で、より低いエネルギー固有値を出す事が可能になった。また、アイソスピンの扱いを改良して、陽子数も中性子数も奇数の原子核、いわゆる奇々核、の異なるアイソスピン状態のエネルギーが出せるようになった。さらに、パリテイを射影するコードを追加する事により、パリテイの異なる1粒子軌道が混在する系の計算を可能にした。応用面では、Geアイソトープについて系統的な計算を行い、また、奇々核の例としてMnの計算を開始した。パリテイを射影した計算をA=90領域核で開始した。 代表者の大塚及び分担者の本間を、ヨーロッパ原子核理論センターで開かれたワークショップ(2回)や、ブダペストにおいて開かれた第9回捕獲ガンマ線分光学国際会議に派遣して、この理論の内容やこれまでに得られた成果を広く世界に周知せしめ、同時に今後の発展にとって重要な知見を得た。
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