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1996 年度 実績報告書

半導体ナノクリスタルの永続的ホールバーニングの研究

研究課題

研究課題/領域番号 08454075
研究種目

基盤研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

舛本 泰章  筑波大学, 物理学系, 教授 (60111580)

キーワードナノクリスタル / 永続的ホールバーニング / 量子ドット / 量子箱 / 励起子 / イオン化励起子 / CuCl / サイト選択レーザー分光
研究概要

半導体量子ドットの氷続的ホールバーニング現象の多様な振る舞いが明らかになるにつれ、現象の理解が進んできた。併せて、粒経分布のため不均一に広がった吸収スペクトルを選択的(波長選択=粒経選択)に励起することによってスペクトルホールを作り、半導体量子ドットの電子エネルギーの粒経依存性を調べる詳細な研究が進みはじめた。
永続的ホールバーニング現象は、発光スペクトルにも影響を及ぼしていることが分かった。サンプルとしてNaCl結晶中にCuClナノクリスタルを成長させたものを用いると、発光スペクトル中にバーニング光と一致するエネルギーに鋭いディップ、低エネルギー側にそれに付随する構造が見えた。これらの構造のバーニングエネルギーに対する依存性は、低エネルギー側の構造がイオン化励起子であることが明らかになった。量子ドット中のイオン化励起子の最初の観測となる。イオン化励起子の構造が出現することは、ナノクリスタル自信のイオン化を示し、ナノクリスタルのイオン化が半導体ナノクリスタルの永続的ホールバーニングのメカニズムではないかという推論を裏付ける証拠の一つとなる。
NaClマトリックス中のCuClナノクリスタルに適当な熱処理を加えると、振動構造がZ_3励起子吸収スペクトルに現われる。この構造はCuClナノクリスタルの形状を立方体として考えたとき、比較的よく説明できる。低温において、スペクトル幅の細いレーザ光でZ_3励起子吸収帯内を励起すると、メインホール以外に低エネルギー側にサイドバンドホールが永続的ホールバーニングとして観測された。これらのピークエネルギーの関係は、CuCl量子箱に閉じ込められた量子数n_x、n_y、n_zのZ_3励起子順位を考え、レーザ光照射によって高次の励起子準位を励起したために、その量子箱の基底状態のホールバーニングが観測されたと考えると説明できることが明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Y.Masumoto: "Luminescence Hole Burning in Semiconductor Quantum Dots" Journal of Luminescence. 66&67. 142-145 (1996)

  • [文献書誌] M.Ikezawa: "A Stochastic Treatment of the Dyn mics of Excitons and Excitonic Molecules in CuCl Nanocrystals" Physical Review B. 53・20. 13694-13699 (1996)

  • [文献書誌] J.Qi: "Spectral Hole Burning in CdS Nanocrystals Embedded in polyvinyl" Solid State Communications. 99・7. 467-472 (1996)

  • [文献書誌] Y.Masumoto: "Persistent Hole Burning Spectroscopy of Semiconductor Quantum Dots" Proc.23rd Int.Conf.Physics of Semiconductors. 2. 1481-1484 (1996)

  • [文献書誌] T.Kawazoe: "Luminescence Hole-Burning and Quantum Size Effect of Charged Excitons in CuCl Quantum Dots" Physical Review Letters. 77・24. 4942-4945 (1996)

  • [文献書誌] Y.Masumoto: "Persistent Hole Burning in Semiconductor Nanocrystals" Journal of Luminescence. 70. 386-399 (1996)

  • [文献書誌] A.S.Edelstein(ed.): "Nanomaterials : Synthesis,Properties and Applications" Institute of Physics Publishing, 596 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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