• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

層状半導体超薄膜の成長制御とその非線形光学応答

研究課題

研究課題/領域番号 08454084
研究機関大阪市立大学

研究代表者

小松 晃雄  大阪市立大学, 理学部, 教授 (90047134)

研究分担者 赤井 一郎  大阪市立大学, 理学部, 講師 (20212392)
唐沢 力  大阪市立大学, 理学部, 教授 (90106336)
飯田 武  大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047191)
キーワードホットウオール法 / 超薄膜 / BiI_3 / ファンデアリールスエピタキシャル成長 / 光学応答 / 高密度励起子 / 共鳴遷移 / 非線形光学応答
研究概要

@試料作成のためのホットウオール炉を組み込んだ清浄真空槽を一部改良し、ホットウオール法によりBiI_3超薄膜結晶の育成を行った。BiI_3結晶と同じ層状構造のCdI_2単結晶の劈開面を用いた基板以外に、ファンデアワールスエピタキシャル積層の結晶成長ができるとされているCaF_2単結晶の(111)劈開面を基板として、Bil_3超薄膜を成長させることを新たに試みた。得られた試料は光学測定、透過電子顕微鏡写真、および原子間力顕微鏡(AFM)により評価し、、以下の結果を得た。
1)CdI_2単結晶の劈開面を用いた基板で、基板温度35〜50C、成長速度12A/secの試料が良好な単結晶と対応する吸収線幅の小さな励起子スペクトルを示すことが解った。
2)成長速度から見積もってBiI_3結晶1基本層厚(7A)を目指した超薄膜試料の光吸収スペクトルでは、BiI_3微結晶成長を示唆する結果が得られた。一方、数基本層の膜厚を目指した試料では、BiI_3表面局在励起(2.11eV)、CdI_2/BiI_3界面局在励起子(2.096eV)以外に複数の励起子ピークが現れた。この結果の分子性励起子モデルでの解析結果から、基本層の整数倍単位で種々の膜厚のものがモザイク状に形成されていることが解った。実際、AFMによる積層状態の表面の直接観測からはミクロン単位の島状構造が確認された。
3)電子顕微鏡による構造解析と光学測定の結果からから基板に層状結晶を用いても、CdI_2/BiI_3の沃素の最稠蜜構造との整合性のため、BiI_3側に約1%の格子縮みが生じ、理想的なファンデアワールスエピタキシ-ではないことが解った。
4)基板にCaF_2単結晶の(111)劈開面を用いると、2.02eVに新たに半値幅の小さな励起子吸収線が現れた。励起子発光は同位置に共鳴発光を示す。AFMによる観測結果はミクロン以下の島状結晶の成長が認められ、膜厚を基本層程度に薄くすると100nmの微結晶が表面に分布する。今後、この試料の発光スペクトルの光強励起効果を調べ、この遷移の起源を明らかにするとともに超薄膜における非線形光学応答を調べる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Karasawa, K.Kawai, I.Akai, T.Komatsu: "Coherent and Incoherent Transport Properties of Excitons at High Density in a Quasi Two-Dimensional Space of a Stacking Disorder Interface in a Layered Crystal BiI_3" J.Lumin.72-74. 876-878 (1997)

  • [文献書誌] V.F.Aguekian, B.S.Monozon, C.A.Bates, J.L.Dunn, T.Komatsu, N.Miura, K.Utida: "Effect of vertual transport on superlattice luminescence in the presence of an in-plane magnetic field" Physical Review B. 56. 1479-1485 (1997)

  • [文献書誌] M.Suzuki, T.Iida: "Time-resolved Secondary Emission from the Three-level Electron-Phonon Coupled Systems 1:Numerical Study of Radiative and Nonradiative Transitions" Physical Review B. 57. 370-378 (1998)

  • [文献書誌] 三野弘文、近藤久雄、河相武利、赤井一郎、唐沢 力、小松晃雄: "層状結晶BiI3の二次元界面に高密度に生成された励起子の輸送機構の研究" 光物性研究会'97論分集. 185-188 (1997)

  • [文献書誌] 桑田直樹、飯田 武: "半導体電子正孔計の高温での光学応答における多体効果" 光物性研究会'97論分集. 189-192 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi