研究課題/領域番号 |
08454089
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
勝本 信吾 東京大学, 物性研究所, 助教授 (10185829)
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研究分担者 |
遠藤 彰 東京大学, 物性研究所, 助手 (20260515)
平澤 正勝 東京大学, 物性研究所, 助手 (90262162)
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キーワード | メゾスコピック系 / 微小磁性体 / 単電子トランジスタ / 微小超電導体 / 希薄磁性半導体 |
研究概要 |
微小磁性測定のため、磁性にもっとも敏感と考えられる超伝導体を微小にした系を用いることを試みた。 このために、まず、微小超伝導体を使った単電子トランジスタを作製し、そのクーロン島の位相揺らぎを別の単電子トランジスタで制御する、単電子回路の動作確認を行った。その結果、単電子トランジスタにより、位相の量子揺らぎの制御ができること、更には、孤立超伝導体に特有なパリティ効果まで制御できることを見いだした。 次に、磁場検出のための微小リング構造を作り、これに徹小接合電極をつけた系の伝導を測定することで、微小局所磁場を検出できること、粒子数揺らぎの小さい孤立系でも磁束の量子化が起こっていることを明らかにした。また、この系で微小超伝導体そのものを調べることができることも見いだした。 そこで、メゾスコピック磁性研究のために有望と考えられる2つの系について研究を開始した。ひとつは、希薄磁性半導体であり、もう一つは金属磁性体の多層構造である。 希薄磁性半導体では、東北大学電気通信研究所との協力によって、新しいIII-V族希薄磁性半導体GaMnAsを見いだし、その特異な磁性・電気伝導を調べた。特に、Mn濃度を増加させることによっていったん金属になったGaMnAsが再び絶縁体に転移することを発見し、また、抵抗が3桁以上にわたって変化する超巨大磁気抵抗を発見した。更に、より低温側において、電気伝導の異方性が急激に増大する現象がみつかり、磁気ポーラロンの異方転移ではないかと考えている。 金属磁性体の多層構造を横に広げたメゾスコピック系を試作し、低温の電気伝導を測定中である。
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