研究課題/領域番号 |
08454105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
常行 真司 東京大学, 物性研究所, 助教授 (90197749)
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研究分担者 |
草部 浩一 東京大学, 物性研究所, 助手 (10262164)
荻津 格 東京大学, 物性研究所, 助手 (20262165)
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キーワード | 第一原理分子動力学法 / 高圧 / ヘテロダイヤモンド / BCN化合物 / C_<60>ポリマー / フラレン / シリサイド / SnI4 |
研究概要 |
超高圧実験は物性の基礎研究や地球科学において役立ってきたばかりでなく、常圧では得られない準安定結晶の生成手段として応用上も重要である。しかしながらごく微量の試料しか扱えない超高圧での「その場観察」は一般には非常に困難であり、計算機シミュレーションなどによる理論的サポートが不可欠となっている。本研究は従来の第一原理分子動力学法に圧力一定の方法論を採り入れることにより、高圧下での結晶構造・電子状態変化を、実験と独立に予言する方法を確立することを目的とする。 本年度は昨年度に続き圧力一定第一原理分子動力学法プログラムの整備、すなわち汎用化、高速化などを行った。これと平行して炭素系物質、シリサイド、分子性結晶の本格的シミュレーションを行った。 炭素系物質としてはBNとCからなるヘテロダイヤモンドとC60ポリマーをとりあげた。前者は高圧で新しいBCN化合物半導体を合成する方法を提案し、その物性を調べた。とくにグラファイトと層状BNの超格子を出発物質にすることで、さまざまな物性を示すヘテロダイヤモンドが合成できる可能性を指摘した。また後者は大規模な構造最適化とバンド計算により、C60固体にアルカリをドープした場合にポリマーが形成される機構を電子論の立場から調べた。シリサイドでは、CaSi2の3つの多形構造が実現される圧力条件を調べ、同じく複数のネットワーク構造をもつ炭素の場合と比較を行った。分子性結晶ではSnI4の構造シミュレーションを行い、最近発見された超高圧相の構造モデルの比較検討を行った。
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