研究概要 |
ランダム系として,ランダム行列理論での相転移を,昨年度研究した状態密度にギップが出来る場合に,ユニバーサリティーに関連して調べた。n点の相関関数を厳密に求め,また,レベル間隔確率p(s)を厳密に計算した。その漸近的振舞いをsが大きい極限で解析的に導出し,p(s)がexp[-CS^<8/3>]となる事と見い出した。これは,状態密度の特異性p(λ)〜λ^βと関係して,一般にp(s)はexp[-CS^<2β+2>]となる事を見い出し議論した。なお,この解析にはフレドホルム行列式の方法が有効である事が判った。ランダム行列が複素数を要素とし,非エルミートである場合を外場がある場合に研究し,有限な行列サイズNの場合に厳密な状態密度の長式を任意の外場に対し求める事に成功した。この場合,固有値は複素平面上に分布する。
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