ランダム系の相転移として、ランダムマトリックス模型での様々なユニバーサリティ、及びそのクロスオーバーを詳しく研究した。特にランダムマトリックス模型で外場がある場合を、n点の相関関数、形状因子及びレベル間隔確率分布について、有限なマトリックスサイズNに対し、厳密な積分表示を得、Nが大きい極限で、相関関数のユニバーサリティを議論した。外場を導入することにより、決定論的なハミルトニアンからランダムハミルトニアンへのクロスオーバーを議論することが出来た。その応用として、ランダムマトリックスが複素数の場合の固有値分布、及び超伝導体磁束中の準粒子のエネルギーレベルの分布のクリーンな場合からダーティ極限へのクロスオーバーの表式を得る事が出来た。またカイラル対称性に関係して、量子ホール状態が2つの成分(スピン成分)を持つ時の状態密度及び電気伝導度の研究を行った。
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