2か年研究計画の初年度として、以下の研究を行なった。 課題1:クロスヘリシティ効果によるトロイダル磁場の生成の研究(主に、吉澤担当) 天体等の回転する球形領域においては、差動回転により乱流が発生する。乱流の発生は運動量、エネルギー等の輸送を促進する作用をもつが、他方回転効果によって乱れの反転対称性が破られる。この結果、速度、磁場相関で定義される乱流クロスヘリシティが発生し、回転運動から大規模トロイダル磁場が生じ、乱れを抑制する。 課題2:圧縮性乱流の統計理論的研究(主に、半場担当) 乱流中の圧縮性効果の代表的として、流体混合の抑制作用がある。その原因として、運動量輸送に対する圧縮性効果、圧縮に起因する乱流エネルギー散逸の促進等が上げられる。これらの事項を、乱流統計理論の観点から明らかにするために、2スケーる繰り込み理論を用いて、解析を行なった。特に、運動量輸送、熱輸送等に対する抑制効果を明らかにした。 課題3:円筒領域におけるプラズマ回転による乱流抑制の研究(主に、横井担当) 核融合プラズマのトカマク閉じ込めにおいては、強いトロイダル磁場に加えて、ポロイダルプラズマ回転が乱れの抑制に強く関連していることがHモードの研究から知られている。本研究では、この事実をクロスヘリシティによる磁場と流体運動の相互作用の視点から説明するために、乱流モデルを構成し、数値解析によりこれを確認した。
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