研究概要 |
アフリカ地溝帯にあるニイラゴンゴ火山は,その火口に永続的な溶岩湖が存在し,活動に伴って湖面の位置が大きく変化する.過去の文献記録や最近の現地観測データを総合的に解析し,その活動の変遷を明らかにした. (1) 過去の溶岩湖活動の観察報告を可能な限り調査し,1894年から今日までの溶岩湖面の活動状況を明らかし,溶岩湖湖面の変遷史を作成した.現在の湖面は第1テラスと第2テラスの中間に位置する (2) 1994年がら始まった溶岩湖活動に伴う湖面高度変遷を写真映像の解析と測量データを併合して求めた.1996年10月までの約2年間に湖面は118m上昇した.平均上昇速度は28cm/日,総溶岩供給量は8600万m^3と推定された.また,平均供給率は7000kg/secと推定された (3) 溶岩湖面で溶岩噴泉がある(ない)時は火山性微動の出現しない(する).表面活動と微動発生との間には負の相関関係がる.また,溶岩湖面で噴泉活動が開始すると微動が出現しその後指数関数的に振幅は減少する.この過程は気泡の上昇に伴う"advective overpressure"の概念で説明される. (4) 溶岩湖からの割れ目噴火に伴う溶岩流分布を推定した.過去の割れ目噴火による溶岩流は主にニイラゴンゴ火山の南西〜南東域に流下した事を示した.
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