研究概要 |
古地磁気永年変化(pa1eosecular variation,PSV)を解析するために、テーラー展開を用いる手法はKono and Tanaka(1995)によってはじめて行なわれたものである。平成8年度の研究ではこの手法を様々な地磁気要素またはそれらを極に投影した量についてあてはめることを行なった。まずKono and Hiroi(EPSL,139,251,1996)は磁場強度Fと仮想双極子モーメントMの表現を求め、これと古地磁気強度データベースのうち過去580万年間の値の統計値と比較した。 次いでKono(JGG,印刷中)は伏角Iと偏角Dの表現を導出しやはり過去500万年のデータと比較した。更にKono(PEPI,投稿中)は磁場方向のデータの分布と対応する仮想地磁気極の分布の形がどうなるかを調べた。これらの結果はいずれも四極子項g^1_2(又はh^1_2)が他のものにくらべて有意に大きいことを示している。
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