研究概要 |
南海トラフ沿いに発生するプレート間巨大地震発生の摩擦(すべり)モデルパラメータを推定し、巨大地震発生の繰り返しの時間的パターンおよび発生する地震に規模や破壊様式を、摩擦の構成則に基づいた準静的すべりの数値シミュレーションを実行することにより再現し、海溝型巨大地震発生の物理に迫り,災害の軽減に役立てることを目的として、以下の研究を行った。 1.摩擦の構成則に基づく,海溝型巨大地震発生の準静的3次元数値プログラムの開発のために、まず平面的断層面(プレート境界面)を導入し、その基礎方程式系(すべり速度/状態依存の摩擦則、準静的運動方程式)の3次元定式化、境界条件および摩擦パラメータの分布等の検討を行った。 2.南海トラフ沿いに発生する地震のマグニチュード-頻度分布を調べ、頻度がマグニチュードの対数と扇形になる範囲(いわゆるグ-テンベルク・リッヒタ-則を満たす範囲)と、それからはずれるマグニチュード8クラスに海溝沿いの巨大地震の存在があり、固有地震(chracteristic event)である可能性を示唆した。また、すべり速度依存の摩擦則を導入した2次元バネ-ブロックモデルにおいて、地震発生の統計的性質を調べ、このような準周期的に発生する固有地震を生じさせ、その特徴を調べた。 3.南海トラフから沈む込むフィリピン海プレートの形状を微小地震活動から推定し、その形状のコンパイルを行った。
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