研究課題/領域番号 |
08454126
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 大二 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (30001655)
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研究分担者 |
田中 夕美子 北海道大学, 農学部, 教務職員 (60221397)
倉茂 好匡 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (20241383)
橘 治国 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002021)
浦野 愼一 北海道大学, 農学部, 助教授 (40096780)
石井 吉之 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (40222955)
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キーワード | 北方樹林地 / 水・熱・物質循環 / 森林蒸発散 / 河川流出機構 / 無機イオン / 懸濁物 / 栄養塩 / 多様性 |
研究概要 |
本研究の目的は、北方樹林地を対象に、森林が水・熱・物質の循環に果たす役割の多様性を明らかにすることである。夏が短く雪や低温に見まわれる北方樹林地特有の特徴を見い出し、温暖湿潤な森林地域との対比から多様性を評価しようとするものである。今年度は3ケ年計画の2年目にあたり、以下のような成果が得られた。 幌延町問寒別および稚内市大岬の森林流域および草地流域で計測した融雪期および夏期降雨時の河川栄養塩濃度時系列変化に基づき、地下水および降水中の濃度差を指標にして各栄養塩の流出機構について考察した。また、札幌市内定山渓の冷水沢流域で計測した融雪期の河川水懸濁土砂濃度時系列変化に基づき、融雪初期の初期条件のみから融雪期全体に亘る濃度変化をシミュレートするモデルを完成させた。 北大苫小牧演習林において樹冠上から林床までの長期連続気象観測を行い、日射量、放射収支量、顕熱量、蒸発散量の季節変動を測定した。また樹林密度と放射特性の関係を求めるために数値モデルの開発を行った。 森林面積が50%以上の洞爺湖流域の融雪流出特性を把握するため、洞爺湖の水利用量、水位、蒸発量等の水収支項目を資料収集と観測で調査した。その結果、5月に約300mmの融雪流出があることが分かった。 漁川水系で、流域内4河川を同時調査し、流域の形態と水質の関係について調査した。水質は栄養塩を中心に調査したが、その平均な水質や降雨時水質を連続採水によって明らかにした。特に、水質特性から流域の特徴を分離できたことが従来の研究に無い新しい成果である。
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