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1996 年度 実績報告書

グリーンランド・サミットコア解析による氷床低部付近の流動特性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08454127
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北見工業大学

研究代表者

庄子 仁  北見工業大学, 工学部, 教授 (50201562)

研究分担者 成田 英器  北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20001662)
亀田 貴雄  北見工業大学, 工学部, 助手 (00233974)
キーワード氷床コア / 氷床流動 / クラウディー・バンド / 地球環境 / サミットコア
研究概要

本研究は、1992年にグリーンランド、サミットで採取された氷床深層コア試料を用いて、多項目に亘る物理解析を行い、特にクラウディーバンドのキャラクタリゼーションのための基礎データを収集した。その結果クラウディーバンド内では、
1)結晶方位の集中と細粒化が著しい(北見工大)
2)電気伝導度は一般に低下するが、光学的層位とは必ずしも一致しない(北大)
3)微少な気泡が大量に存在し、セル構造を形成している(北見工大)
4)塑性歪の空間分布は一様ではなく、バンド内およびクリア-アイスとの界面で卓越すべりが観察される(北見工大。北大)
等の情報が得られた。1)、2)、3)については、バンド内では化学不純物濃度が極めて高くなるという欧州の研究者達の得た結果と調和的である。不純物による粒界移動の阻害は結晶成長(粗粒化)を妨げ、アルカリ性不純物の存在は、電気伝導度を低下させる。また、コア採取後の体積緩和過程において、氷床深部では空気包接水和物を形成していた含有空気が気泡を生成するが、気泡の核生成は不純物の存在により促進されると考えられる。但し、クリアアイス内に較べて気泡数密度が著しく高くなっているのは、既存の気泡が氷床内で空気包接水和物に変態する時に、分裂もしくは空気分子の移動によって数を増したとも考えられる。力学変形については、結晶方位分布の影響および不純物効果の両方を、センチメートル・スケールで研究してゆく必要がある。これまでの成果の一部は、海外との共同研究の論文中に組み込まれている。昨年6月にノルウェーでの国際会議およびドイツのアルフレッド・ウェーゲナー研究所で研究討論を行ったが、来年度も日独科学協力事業の支援を得て、海外との研究交流を継続して行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] D.Dahl-Jensen: "Flow properties of the ice from the GRIP icecore-the reason for folds?" Journal of Geophys. Res.(印刷中).

  • [文献書誌] S.J.Johnsen: "The δ^<18>O record along the GRIP deep ice core and the problem of passible Eemian" Journal of Geophys. Res.(印刷中).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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