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1997 年度 実績報告書

大気・海洋における数十年規模変動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08454130
研究機関東京大学

研究代表者

新田 勍  東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (00014762)

研究分担者 木本 昌秀  東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (30262166)
キーワード十年規模変動 / 大気海洋結合モデル / 海洋表層水温
研究概要

1.データ解析で明らかになった北太平洋域の十年規模変動を、大気海洋結合モデルの長期積分により再現することができた。大気・海洋表層の偏差パターンは観測されたものに非常によく似ている。変動の力学的メカニズムには、海洋表層の亜熱帯循環系のゆっくりとした調節過程が重要である。また、いくつかの他の研究と異なり、我々のモデルでは、観測と同様に、熱帯と中緯度が同期して変動していることがわかった。また、温度躍層レベルを温度偏差が中緯度から低緯度へ移動する様子もよくシミュレートされている。中緯度と熱帯の相互作用の詳細はまだ不明であるが、これまの推測と異なり、温度偏差を持った水塊の移動よりは、風成循環の力学的調節過程の方が重要ではないかと思われる。
2.長期間にわたる大気・海洋のデータを用いて北大西洋における十年規模変動とその力学メカニズムについて調べた。これまでの研究で示唆されている約12年のモードを確定し、種々のデータにより海水温変動に貢献するプロセスの同定を試みた。また、1.の大気海洋結合モデルでも類似の現象がシミュレートされており、観測と比較した。その結果、観測、モデルとも空間パターン、周期はよく似ている。そして、両者とも、中緯度で潜熱フラックスが海上風に依存することによる、風-蒸発-海面水温フィードバックが、振動の振幅を増幅させ、偏差パターンの類似性をもたらしている。しかし、振動の位相を変えるのは、観測では海流による移流、モデルでは風成循環の力学的調節に伴うロスビー波伝播である。両者の時間スケールが同程度であるため、周期も似通ったものになる。
3.全球海洋上層の客観解析データセットを水平:1°X1°格子、鉛直:15層に拡張している。解析方法も、観測の多い海面の情報をよりよく用いるため、3次元変分法を用いるものに改善した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Kachi & T.Nitta: "Decadal variations of the global-atmosphere-ocean system" Journal of the Meteorological Society of Japan. 75. 425-445 (1997)

  • [文献書誌] M.Kimoto et al.: "An ocean data assimilation system for climate monitoring" Journal of the Meteorological Society of Japan. 75. 471-487 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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