研究課題/領域番号 |
08454138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
佐藤 夏雄 国立極地研究所, 情報科学センター, 教授 (50132709)
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研究分担者 |
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
宮岡 宏 国立極地研究所, 情報科学センター, 助教授 (10150046)
山岸 久雄 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (20132714)
岡野 章一 国立極地研究所, 研究系, 教授 (10004483)
江尻 全機 国立極地研究所, 資料系, 教授 (30013692)
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キーワード | レーダー / HFレーダー / 電離圏 / 磁気圏 / プラズマ / サブストーム / カスプ域 / 極冠域 |
研究概要 |
国際HFレーダーのネットワーク観測であるSuperDARNデータを用いて、両極域の電離圏や磁気圏のダイナミクスを研究する事を目的としている。HFレーダーは、広い範囲のプラズマ対流を高い時間分解能で観測できる利点がある。南極昭和基地において1995年から観測を開始したたHFレーダーはこのSuperDARNの一局の役割も担っている。 平成8年度の本研究では、1996年の4月に日本に持ち帰られた昭和基地のデータのなかから特に興味深い現象を選びだし、外国のSuperDARNデータとも比較しながら詳しい研究を開始した。以下に今年度に得られたいくつかの研究成果の概要を示す。 プラズマパッチの運動 プラズマパッチは、高温で密度の高いプラズマ大気がパッチ状に孤立している領域を呼ぶ。このプラズマパッチはHFレーダーでしばしば観測される。HFレーダー観測の利点は広域をカバーする事から、この運動を長時間追跡する事ができる。本年度の研究から、このパッチの生成領域である昼間側のカスプ域から極冠域を通り、夜側のオーロラ帯にたどり着く経路と運動が極域全域にかかる対流電場で説明がつく事が明らかになった。 夜側のオーロラサブストームにともなう急激な領域の移動 磁気圏の爆発現象であるサブストームの原因がいまだ良く解っていない。現在考えられている原因の一つに、磁気圏の夜側で磁場のリコネクションが起こり、このエネルギーの開放現象がサブストームであるという説がある。この説を検証する観測事実として、HFレーダーでサブストームに伴う急激な運動をするプラズマ領域を見い出した。この興味深い研究の観測事実の例はまだ限られているが、今後の研究で重要な事実をつきとめる可能性がある。 解析ソフトウエアの開発 SuperDARNのネットワークデータの解析を様々な方法で簡便に実行できるソフトウエアの開発も行った。この開発では、すでに多くの実績のある米国や英国のSuperDARN研究者の多くの協力を得て行われた。この開発により、来年度のデータ解析研究はよりスムーズに実行できるものと期待している。
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