研究概要 |
既存資料の検討として地質・地形論文の収集,地形図・地形区分図の収集整理,空中写真の収集,ボーリング資料・試料の収集整理,地球物理学的資料収集整理を,特に花折断層地域,養老・柳ヶ瀬断層地域,鈴鹿山地東縁断層地域について行った. 野外地質調査は,特に鈴鹿山地東縁断層地域,京都西山断層地域,花折断層地域において実施し,トレンチやボーリング試料の炭素14年代測定や火山灰分析,花粉分析等を加え,各断層の地下での形態や活動度に関する資料が蓄積できた.花折断層の北と南で活動時期の違いが明らかにされた. また,湖内3地点でピストンコアリングにより採取した琵琶湖堆積物の分析から,最終氷期以降約3万年間の堆積物について,詳細な火山灰と帯磁率測定による地層対比に基づく堆積速度の検討を行い,地点ごとの堆積速度の違いが明らかにできた. また,上下変位量が明かにできる断層に直交した測線での反射法地震探査の結果を使い,精密重力測定を京都西山断層で実施し,断層近傍地下の構造推定に有効である結果を得た.さらに,鈴鹿東縁断層系では,地表変位と地下変形の関係の解析が進められ,時代による変位速度の変化が認められた.
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