研究課題/領域番号 |
08454146
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小泉 格 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20029721)
|
研究分担者 |
南川 雅男 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (10250507)
大場 忠道 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60013588)
坂本 竜彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90271709)
鈴木 徳行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00144692)
岡田 尚武 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80111334)
|
キーワード | サプロペル / 貧酸素 / 有機物 / 後方散乱電子像 / 珪藻ブルーミング / 珪藻マット / 成層構造 / 高生産 |
研究概要 |
(1)S3〜S7のサプロペル形成時には、表層に低塩分水が拡がり底層は停滞して貧酸素状態にあり、陸上起源有機物が多く供給された.S1,S10,S11は、S3〜S7に比べると、温暖で混合された表層水環境で海洋起源の有機物が特徴的に生産され保存された. (2)ナポリ泥火山のモートから採取した第四紀後期のラミナ状サプロペル(S5)の走査型電子顕微鏡による研究は、サプロペル形成をもたらしたフラックスの季節規模に新しい考察をもたらした.サプロペルは本質的に有機物が豊富な珪藻軟泥であり、オパールは地形的な窪みに保存された.この場所の底層水は地中海の特徴であるシリカに未飽和な海水から少なくとも断続的に妨げられた.ラミナ状サプロペルに樹脂を満たして磨いた薄片の後方散乱電子像は、Rhizosolenia属の珪藻を含有するラミナと典型的な珪藻ブルーミング種を含有する混合群集のラミナとの互層を示した.Rhizosolenia属から成るラミナは珪藻マットの形態による季節規模の珪藻集団の堆積を証拠づけた.これらの珪藻マットは有孔虫や石灰質ナノ化石の研究から報告されたサプロペル形成時の深海性クロロフィル最大層が存在したに違いないと言う推定を支持した.サプロペル形成のマット堆積モデルは、(1)成層状態の存在によって深層に閉じ込められた栄養塩類は垂直に沈降するマットによってのみ利用され得る、(2)マットの大量堆積は成層状態の断続的な中断をもたらす高生産の証拠である、の2つから構成されている.
|