研究課題/領域番号 |
08454146
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小泉 格 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20029721)
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研究分担者 |
南川 雅男 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (10250507)
大場 忠道 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60013588)
坂本 竜彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90271709)
鈴木 徳行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00144692)
岡田 尚武 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80111334)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | サプロペル / モンスーン / 歳差運動 / 成層構造 / 生物生産 / 有機物 / 貧酸素 / 地中海 |
研究概要 |
東地中海で実施された国際海洋掘削計画(Ocean Drilling Project,ODP)Leg160航海(1995年4-5月)に乗船参加して、5地点から研究試料約2,000個を採取した。そのうち、本年度は複数の分析手法による高分解能分解によって、(1)最も長い堆積記録のコア969F-1H(クレタ島南、地中海海嶺上)における過去40万年間の古海洋環境変動を明らかにし、(2)コア969F-1Hで得られた過去40万年間の変動を面的に拡げて、古海洋環境変動の考察を加えるためにコア967D-1H(キプロス島南、エラトステネス海山の北)を同じように分析した。そして最後に(3)サプロペルの形成システムを考察した。サプロペルの形成に関する最近の研究では、個々のサプロペルの形成をモンスーン循環の揺らぎを生み出す歳差運動の極小時期に関連させて、成層状態の発達と生物生産量の増加の複合モデルが考えられている。 本研究で明らかになった結果を要約すると、(1)サプロペルの形成要因はサプロペルごとに異なる。(2)S3-S7のサプロペルが堆積した時期の海洋環境は表層に低塩分水が拡がり底層は停滞して貧酸素状態にあり、陸上起源の有機物が多く供給された。S1,S10,S11は、S3-S7に比べると、温暖で混合された表層水環境で海洋起源の有機物が特徴的に生産され保存された。(3)サプロペル堆積時には東縁部の方がより暖かく低塩分水の影響が強かった。 これらの結果は、概括的にはこれまでに提唱されたサプロペル形成モデルと調和的であるが、今回の高分解能分析によって個々のサプロペルの形成要因が異なることが明らかになった。現在のところ、少なくとも3種類の類型が推定され、今後更に、形成環境を詳細に検討し確定する必要がある。
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