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1996 年度 実績報告書

ゲノム解析およびアイソザイム解析に基づく二枚貝マルスダレガイ科の分化過程

研究課題

研究課題/領域番号 08454147
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

島本 昌憲  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30211965)

キーワード二枚貝 / アイソザイム / 遺伝距離 / 殻体構造 / 系統分類 / マルスダレガイ科
研究概要

マルスダレガイ科に属する二枚貝類の属間の平均的遺伝距離を把握するため,10属の種について代謝系酵素のアイソザイムを分析して遺伝距離を定量化することを試みた.その結果,属間の遺伝距離は1.2〜5.2の範囲の値を示し,平均2.5となった.この値は,これまでに知られている脊椎動物や多くの無脊椎動物の平均的な遺伝距離に比べるとやや大きな値であるが,少数ながら報告のある二枚貝類や腹足類などの軟体動物類の値とは調和的で矛盾しない.
それぞれの属間の遺伝距離を詳細に比較検討し,殻体構造の類似性に基づく形態学的見地から推定される類縁関係とどのような対応がみられるかを考察したところ,アイソザイムから推定される系統関係と殻体構造から推定される類縁関係には強い相関が見られることが判明した.すなわち,両推定結果とも,Shimamoto(1986)の区分によるType IIに属する種群が,Type IあるいはType IIIのグループの先祖種より派生した可能性が高いことを示している.
以上の研究結果から,殻体構造は二枚貝類の種間の類縁関係を推定する上で極めて重要な形質の一つであることが明らかとなり,絶滅種も含めたより広い種群の系統発生を解明することがマルスダレガイ科の種分化過程を考察する上で重要な課題となる.
さらに,本研究ではゲノム解析も行い,より多くの種について詳細な分化過程を解明するよう研究を継続中である.今後は,ゲノム解析の結果とアイソザイム解析の結果を総合的に判断して,マルスダレガイ科の種分化過程をより具体的に解明したい.
主に絶滅種についての殻体構造に関する基礎データも,引き続き蓄積している.

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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