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1996 年度 実績報告書

ウラン系列年代測定法によるサンゴ礁段丘の形成過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08454148
研究種目

基盤研究(B)

研究機関金沢大学

研究代表者

大村 明雄  金沢大学, 理学部, 教授 (70019488)

キーワード喜界島 / 伊良部島 / 完新世 / 更新世 / サンゴ礁段丘 / 海面変動 / 最終氷期 / 後氷期
研究概要

本年度は,中部琉球の喜界島全島を縁取って発達する完新世サンゴ礁段丘,同島内陸部に分布する更新世サンゴ礁世石灰岩,および南西琉球伊良部島沖の海底ボーリングによって採集された埋没サンゴ礁を研究対象として研究を進め,以下の成果を得た.
1.喜界島南西部荒木海岸の完新世サンゴ礁最上位段丘(I面)を,光波測量計(EDM)による精密測量によって再定義した後,更新世琉球石灰岩を薄く不整合で覆うサンゴ石灰岩中から試料を採集し,ウランおよびトリウム同位体に関する独自の開放系モデルを考案しながら,^<230>Th/^<234>U年代値を求めた.その結果,後氷期における急激な海面上昇の後,本島に本格的な裾礁が形成され始めたのは約7,200年前であるとの結論に達した.この年代値は,既報告の^<14>C年代を補正して得られる暦年代と矛盾しない.
2.60,000年前以降(とくに,酸素同位体ステージ3)に形成された礁性石灰岩の分布などについて未解決だった喜界島内陸部における地質調査と上記年代測定相法によって,約45,000年前と約51,000年前のサンゴ石灰岩が島の中部地域にも分布することを確認した.これによって,ステージ3の相対的高海面期に,琉球列島にも小規模ながら裾礁が形成されていたことを実証し,ステージ3の海面高度に関する議論が可能になった.
3.伊良部島南西沖の島棚縁(水深118.2mの海底)から回収されたボーリングコア試料の岩相解析を行い,サイドスキャンソナー調査によって存在が推論された埋没サンゴ礁の存在を確認した.また,コア堆積物中から採取した造礁性サンゴ化石の上記年代測定によって,その埋没サンゴ礁が最終氷期最盛期に形成されたことを明らかにした.それに加え,年代測定試料中に続成作用の過程で二次的晶出した低Mg方解石の存在を確認し,当時の海面高度が現在より少なくとも126m以上低かったと推定した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Radtke,Ulrich: "The Quaternary coral reef tracts of Hateruma,Ryukyu Islands,Japan." Quaternary International. 131. 61-70 (1996)

  • [文献書誌] Chappell,John: "Reconciliation of late Quaternary sea levels derived from coral terraces at Huon Peninsula with deep sea oxygen isotope records." Earth and Planetary Science Letters. 141. 227-236 (1996)

  • [文献書誌] 大村明雄: "小池一之・太田陽子編「変化する日本の海岸」" 海面変化とサンゴ礁段丘, 100-116 (1996)

  • [文献書誌] 大村明雄: "日本第四紀学会「第四紀露頭集-日本のテフラ」" 南西諸島喜界島の完新世サンゴ礁段丘, 318-319 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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