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1997 年度 実績報告書

氷期から間氷期への温暖化に伴う浅海環境と生物分布の変遷過程

研究課題

研究課題/領域番号 08454150
研究機関静岡大学

研究代表者

北村 晃寿  静岡大学, 理学部, 助手 (20260581)

研究分担者 和田 秀樹  静岡大学, 理学部, 教授 (20126791)
キーワード氷期 / 間氷期 / 温暖化 / 日本海 / 浅海環境 / 貝類
研究概要

本研究課題を遂行するため,最終氷期以降の日本海陸棚の環境変動とそれに対する貝類の変遷過程の解析を行った.具体的には,通産省工業技術院地質調査所保存の現世日本海のコア試料に関して,堆積物と貝化石の層位分布を調べた.その際,解析するコア試料の条件を,広域テフラを狭在しかつ最終氷期の深度が約200m以内とした.そのため,今回の解析に適したコア試料は鳥取沖(水深205m),若狭湾沖(水深283m),能登沖(水深335m)の3本しかないが,次のことが分かった.
(1)現在の水深で205-335mの日本海海底は,最終氷期以降を通じて今の水深で200-250〜1000mの物理的環境(水温0.9〜0.2℃,塩分34.0‰)を維持したことが分かった.つまり,同深度には最終氷期に起こった日本海表層水の低塩分化と400m以深の無酸素状態も,さらに9500年前から流入し始めた対馬海流による温暖化の影響も及ばなかったのだ.この安定した環境のため,そこは現在水深200m以深に生息する日本海に固有な生物の氷期の避難場所となった.
(2)対馬海流の流入開始期9500年前の海水準は現在の海水準よりも50mほど低かった.そして,今回の解析によって最終氷期以降から現在までの間,現在の水深205m以降の海域には,暖水系種は生存しなかったことが判明したので,対馬海流の流入開始期の対馬海流の厚さは150mよりも薄かったことになる.
今後は,水深200m以浅に住む底生生物が対馬海流の流入による温暖化にどのように応答したかを明らかにするため,コア試料中の貝化石の^<14>C年代を測定・検討する

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 北村晃寿: "ミランコビッチ・サイクルに伴う環境変動に対する海生貝類の応答様式" 化石. 63. 40-48 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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