本研究は、気-液界面構造研究のための全反射配置のX線回折および反射率測定装置を製作することを目的としている。初年度にあたる本年度は、装置の性能評価にあたり以下のような問題点を解決した。(本研究で購入した主要品目に下線を引く) 1.液面に対して0.5mrad以内の平行ビームを得ることが困難 →現在使用している自作のピンホール(径0.1mm)の代わりに電顕用絞り(径0.05mm)を用いて光軸調整を行うこととした。さらに、実験者の安全を考えて移動ステージを手動から自動に切り替え、全測定を自動化するためのプログラムを作成した。 2.入射ビームの強度が弱い →高出力ファインフォーカスX線管球およびGeモノクロメータに変えた結果約13倍の強度を得た。 3.測定によって得られる逆空間領域が狭い →光源をCu管球に変更し、約2倍の逆空間領域を得た。 また、気-液界面の反射率測定は、表面張力と密接な関係があるため、上記の装置と併用する形で表面張力測定装置(板吊り法を利用したもので、主には電子天秤および自動ステージによって構成される)を製作した。
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