研究課題/領域番号 |
08454228
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
細見 彰 筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
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研究分担者 |
伊藤 肇 筑波大学, 化学系, 助手 (90282300)
三浦 勝清 筑波大学, 化学系, 講師 (20251035)
北条 信 筑波大学, 化学系, 講師 (50229150)
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キーワード | 有機マンガンアート化合物 / 立体選択的合成 / アルドール反応 / 還元的メタル化 / アリルマンガンアート反応剤 / プロバルギルマンガンアート反応剤 / マンガンエノラート / テトラブチルマンガナ-ト錯体 |
研究概要 |
本研究課題で今年度得られた成果を以下に示す。 有機マンガンアート化合物の電子移動型還元挙動の解明と新規ケトンエノラートの位置特異的生成反応の開発を行った。 遷移金属は種々の酸化数を取り得るために遷移金属化合物は中心金属が合成化学的に有用な酸化・還元的性質を示す。本研究では高配位有機金属化合物の化学の新たな展開を目指して中心金属をマンガン金属とした有機マンガンアート化合物の、特にその電子移動型還元挙動を明らかにすると共に、新しいケトンエノラートの位置特異的生成反応の開発を行った。 有機マンガンアート錯体の生成とその反応挙動はこれまで殆ど知られておらず、その詳細を明らかにすることにより、今後有機合成上重要な有機金属試剤となり得るであろう。α-位に還元され得る酸素官能基を有するケトンに対して有機マンガンアート化合物を反応することにより、マンガンエノラートが直接的に得られることを見つけた。得られたエノラートに対してアルデヒドを作用させることにより、アルドール誘導体が高収率で得られた。また、生成したマンガンエノラートは種々の求電子剤と反応して対応する置換生成物を高収率で与えた。 さらに、有機マンガンアート化合物はアリルブロミド,プロパルギルブロミドとの反応により、還元的メタル化を起し、対応するアリルマンガンアート反応剤、および、プロパルギルマンガンアート反応剤を高収率で与えることを見つけた。この際、有機マンガンアート化合物の有機リガンドとして、テトラブチルマンガナ-ト錯体が好都合であった。
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