1.第64回電気化学会大会(平成9年3月、横浜)において研究発表「N-メチルアセトアミド中のコバルト(II)イオンの溶媒和構造」を、また、第46回錯体化学討論会(平成9年9月、盛岡)において研究発表「N-メチルアセトアミドおよびN-エチルアセトアミドの金属イオンに対する配位構造と非配位構造」を行い、コバルト(II)イオンの第一配位圏に存在する溶媒分子の配位構造を明らかにし報告した。平成9年9月、ヨーロッパ研究会議「Molecular Liquids」(クレタ)において「Orientational Order of Solvent Molecules around Cobalt(II)Ion Observed by the X-Ray Diffraction Method Using Isomorphous Substitution」の課題で研究発表を行い、コバルト(II)イオンの周りの種々の溶媒分子の配位状態について得られた研究成果を報告した。 2.第20回溶液化学シンポジウム(平成9年11月、宇治)において、「イメージングプレート迅速X線回折装置を用いた混合溶媒溶液の構造観測」の課題で研究発表し、種々のアミド-水混合溶媒について得られた動径分布関数を報告するとともに、イメージングプレート(IP)を用いた迅速X線回折装置の有用性を明らかにした。 3.アミド-水混合溶媒中におけるコバルト(II)イオンの選択的溶媒和について得られた研究成果を、「水-アミド混合溶媒中のコバルト(II)イオンの選択的溶媒和」の課題で第65回電気化学会大会(平成10年4月、東京)において、また、「X-Ray Diffraction Study on Selective Solvation of Cobalt(II)Ion in Aqueous Mixed Solvents」の課題で第8回溶解現象国際シンポジウム(平成10年8月、新潟)において発表する。本研究により、コバルトイオンから放射される蛍光X線をジルコニウムフィルターを用いて除去するのに成功し、イメージングプレート迅速X線回折装置を汎用性あるものとし、選択的溶媒和のX線回折法による迅速定量を可能ならしめることができた。
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