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1997 年度 実績報告書

外国産鳥類の野生化による土着鳥類群集の撹乱に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08454252
研究機関九州大学

研究代表者

江口 和洋  九州大学, 理学部, 助手 (60136421)

キーワードソウシチョウ / 種間競争 / 繁殖生態 / 外来種
研究概要

野生化鳥類であるソウシチョウが九州各地の森林で、急速に分布を広げつつある原因および土着鳥類への影響を明らかにするために、えびの高原(宮崎県)においてソウシチョウとその潜在的競合種であるウグイスの生息密度の調査,巣のマッピング,巣および周辺環境の測定・記載,繁殖諸パラメーターなどの繁殖生態および群集生態に関する研究を行った。
1.群集生態
1)ソウシチョウがウグイスの3倍以上の営巣密度であることがわかった(ソウシチョウ69巣,ウグイス28巣).ソウシチョウは森林の深部にウグイスは林縁部で多く営巣していたが両種の分布の重複は大きかった.選択する営巣環境では両種でやや異なり,ソウシチョウはウグイスよりも林床植生群落の中心部に営巣することが多かった.巣の位置はソウシチョウはウグイスよりも高かったが(平均巣高:162.0cm対139.5cm),周辺の林床植生の高さに有意な差はなかった.
2)採餌空間はソウシチョウは林床植生の上部から高木層の下層部.ウグイスは林床植生中に限られていた.
2.繁殖生態
1)平均クラッチサイズ、平均ヒナ数はそれぞれ、ソウシチョウで3.3卵(19巣)、3.3羽(9巣)、ウグイスで4.3卵(9巣)、5羽(1巣)であった。
2)繁殖成功は両種とも非常に低かった。ソウシチョウでは、69巣中25巣で産卵、このうち9巣でふ化に成功、うち4集で巣立ちに成功した。ウグイスでは、28巣中9巣で産卵、うち1巣のみでヒナがふ化し、巣立ちに成功した。異常に低い繁殖成功は6月、7月の大雨の影響も考えられる。
3)ソウシチョウでは個体の入れ替わりが頻繁で,行動圏の重複が大きかった.これらは本種がル-スコロニアルな社会形態を持つことを示唆している.
来年度は森林中央部と林縁部の二つのハビタットにおいて,巣の分布,各個体の行動圏構造,繁殖成功などについて両種の比較研究を行う.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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