研究課題/領域番号 |
08454256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
町田 泰則 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80175596)
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研究分担者 |
西浜 竜一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70283455)
宇佐美 昭二 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80242816)
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キーワード | NPK1プロテインキナーゼ / 植物 / MAPKKK / 細胞増殖 / 細胞周期 / M期 |
研究概要 |
我々はすでに、NPK1は構造的にも機能的にもMAPKKK様のプロテインキナーゼであること、その活性化因子NAKのcDNAを単離し、それがキネシン様蛋白質をコードすることを明らかにしてきた。多くのキネシン様蛋白質は、微小管上を動くモータータンパク質としての性質を保持しており、細胞内の小胞輸送や細胞分裂時の染色分配などに機能していると考えられている。本年度は、NAKの抗体を作製して以下のことを明らかにした。(1)NAKはNPK1のキナーゼ悲相同領域のC末端側と相互作用して、NPK1キナーゼを活性化した。(2)NPK1と相互作用するNAKの領域は、NAKの尾部の70アミノ酸に限定された。(3)酵母細胞でNAKとNPK1を合成させると、NPK1を単独で発現させた時より、NPK1のキナーゼ完成が10倍上昇した。(4)Western bolttにより、NPK1蛋白質は細胞周期のS期からM期にかけて検出され、NAKはM期に特異的に検出された。以上の結果から、NPK1キナーゼは細胞分裂のM期にNAKにより活性化され、M期の何らかの機能おそらく細胞質分裂のなんらかの過程を制御していると考えられる。今後は、免疫組織科学的手法により、NAKとNPK1の細胞内局在、具体的にはスピンドルとフラグモプラスト微小管のどちらに結合しているかを調べる予定である。また、NPK1の優性機能欠損変異体を細胞に導入して、細胞分裂におけるNPK1の役割を調査する計画である。この様にして、NPK1とNAKタンパク質の植物細胞増殖における役割が明らかにされるであろう。
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