研究概要 |
乾燥ストレスによって誘導されるrd22遺伝子とrd29遺伝子の転写開始領域をトランスジェニック植物実験系を用いて解析し、rd22遺伝子に関しては67塩基の領域に、発現制御に関与する領域を同定した。さらにrd29遺伝子に関してはABAによらない発現に関与するシス因子DREを同定した。本研究では、乾燥ストレスによる発現誘導に関与するそれぞれのシスエレメントに結合するタンパク質のcDNAをクローニングし転写活性化機構について解析した。 1、rd22遺伝子に関して67塩基の領域のなかにMYB,MYCの結合配列が制御に関与するシス因子であることを明らかにした。さらにrd22遺伝子の発現誘導に関与する67塩基に結合するタンパク質のcDNAをSouthwestern法を用いてクローニングし(rd22BP1)、MYC転写制御因子のDNA結合ドメインと相同性があることを明らかにした。rd22BP1遺伝子は乾燥、ABAにより誘導される。 2、乾燥ストレス誘導性のMYB相同性転写制御因子のATMYB2が乾燥誘導性のMYC相同性転写制御因子のrd22BP1と協調的にrd22遺伝子を転写活性化することを葉肉プロトプラストを用いた一過性発現系を用いて明らかにした。 3、rd29遺伝子の乾燥ストレスによる転写誘導に関与するシスエレメントDREに結合するDNA結合タンパク質のcDNAを酵母のone-hybrid法を用いて2種類クローニングした(DREB1,DREB2)。DREB1遺伝子は低温により誘導され、DREB2は乾燥、塩により誘導されることをノーザン法を用いて明らかにした。
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