研究課題/領域番号 |
08454265
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物形態・構造
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
筒井 和義 広島大学, 総合科学部, 教授 (20163842)
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研究分担者 |
古川 康雄 広島大学, 理学部, 助教授 (40209169)
山崎 岳 広島大学, 総合科学部, 助手 (30192397)
小南 思郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (10106776)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 脊椎動物 / 脳 / プルキンエ細胞 / ニューロステロイド / プロジェステロン / プレグネノロン硫酸エステル / 3β-HSD / 学習と記憶 |
研究概要 |
脳内ニューロステロイド合成酵素の遺伝子発現を哺乳類や鳥類を材料に分子生物学的手法により解析したところ、コレステロールからプレグネノロンを合成するシトクロームP450sccの遺伝子は大脳、間脳、中脳、小脳において広く発現することがわかった。一方、プレグネノロンをもとにプロジェステロンを合成する3β-HSD(3β-水酸基脱水素酵素)は小脳と大脳において、プレグネノロンからデヒドロエプアンドロステロンを合成するシトクロームP45017α、リアーゼは中脳においてのみ発現することが明らかになった。これらの酵素が発現する細胞を同定したところ、P450sccと3β-HSDの顕著な遺伝子発現は小脳皮質ニューロンのプルキンエ細胞において認められた。このニューロンでは、P450sccは生後から成熟期にかけて常に発現しており、プレグネノロンとその硫酸エステルが合成されることがわかった。さらに、新生期のプルキンエ細胞においてはP450sccに加え3β-HSDも発現し、この時期に限りプロジェステロンも合成されることが見いだされた。プルキンエ細胞を実験モデルにして、この細胞が合成するニューロステロイドの作用を電気生理学的に解析したところ、プレグネノロン硫酸エステルはGABAの放出によるプルキンエ細胞の情報伝達を変化させることが見いだされた。一方、新生期にはプロジェステロンは小脳皮質においてプルキンエ細胞の発達と神経回路の構築を促進していることが示唆された。プルキンエ細胞は記憶ニューロンとして知られ、現在ニューロステロイドが学習・記憶に関わる脳内分子であることを証明するために、行動実験を進めている。
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