研究課題/領域番号 |
08454269
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宗岡 洋二郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (40031330)
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研究分担者 |
藤澤 祐子 広島大学, 総合科学部, 助手 (80274025)
筒井 和義 広島大学, 総合科学部, 教授 (20163842)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 神経ペプチド / APGWamide / APGWGNamide / マルチペプチド合成機 / コンビナトリアルケミストリー / オピオイドペプチド / アゴニスト / アンタゴニスト |
研究概要 |
1.ミミズ、ハマグリ、エスカルゴ、ヒドラ、ヒル、アメフラシ、ナマコ、フナ、ウズラから向筋活性を持つ数十種類の生理活性物質(主に神経ペプチド)を単離同定し、これらの生理的働きについて調べた。また、これらペプチドを、既知のペプチドを含めて、比較検討して、軟体動物の神経ペプチドであるAPGWamideとイガイ抑制性ペプチド(MIP)を受容体のリガンド(アゴニストとアンタゴニスト)を開発することとした。 2.マルチペプチド合成機を用いて、コンビナトリアルケミストリー法に従って、数百万種類のオリゴペプチドを含むペプチドライブラリーを合成し、その中からリガンドを単離することを試みたが、1種あたりのペプチド量が少ないためか、単離できないことがわかった。そこで、ペプチドの1残基をCysを除く既知の19種のアミノ酸のいずれかにして、合計19種のライブラリーを合成してこれの活性を調べた。活性の強いライブラリーについてはさらにもう1残基を決定するというやり方で、次々と残基を決定し、最終的に数百種のペプチドを含むライブラリーを作り、この中の活性ペプチドはHPLCで純化して構造決定した。この予備的実験の過程で多数の神経ペプチドアゴニストを発見した。その中にはモルヒネ以上に活性が強くて効果持続時間の長い非天然型オピオイドペプチドも含まれている。 予備的実験で確立した手法によって、APGWamideとMIPのリガンドを多数開発した。その中にはAPGWamide受容体アンタゴニストが数種含まれる。その中でAPGWGNamideはAPGWamideの生理機能を調べるための有用な実験試薬であることを示す結果を得た。 4.今回開発したオピオイドペプチドやAPGWamideアンタゴニスト、及びそれら薬物を用いての生理・薬理学的研究の結果は、現在論文として発表するために準備中である。今後、今回開発した手法により種々のペプチドのリガンドが作られ、ペプチドの生理・薬理学への貢献が期待できる。
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