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1998 年度 実績報告書

ヘモシアニンのアミノ酸配列の比較によるカブトガニ類の進化及び分子進化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08454274
研究機関筑波大学

研究代表者

杉田 博昭  筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50133004)

キーワードカブトガニ類 / ヘモシアニン / ヘモシアニンサブユニット / アミノ酸配列 / 生物進化 / 分子進化 / 動物系統分類学
研究概要

現存するカブトガニ類は4種のみで、東南アジア海域(ベンガル湾からインドネシア、ボルネオ、東シナ海を経て瀬戸内海まで)にカブトガニ(Tachypleus tridentatus)、ミナミカブトガニ(T.gigas)、マルオカブトガニ(Carcinoscorpius rotundicauda)の3種が分布している。これら3種のカブトガニ類はヘモシアニンサブユニットを6個持っている。これらのサブユニットの抗原性の比較及びアミノ酸配列の比較から、3種のカブトガニ類は6組のオルソロガスなヘモシアニンサブユニットを共通祖先から種分化により受け継いでいること及びそれぞれのオルソロガスなサブユニットは全く同じ抗原性を示すことが明らかになった(Sugita and Murayama,1998)。
一方、北アメリカ大陸東岸(カナダのノバスコシアからメキシコのユカタン半島まで)に生息するアメリカカブトガニ(Limulus polyphemus)は8個のヘモシアニンサブユニットを持っているが、これらとアジア産3種のカブトガニ類のヘモシアニンサブユニットとのN末端アミノ酸配列の比較から、アメリカカブトガニもアジア産カブトガニ類の6個のヘモシアニンサブユニットとそれぞれオルソロガスな関係にある6個のヘモシアニンサブユニットを持ち、その内の2サブユニットが重複した結果現在8個のサブユニットを持っていることも明らかになった(Sugita and Suzuki,1998)。
カラムクロマトグラフィとアクリルアミドゲル電気泳動法を組み合わせることによりカブトガニ類のヘモシアニンサブニットを単離精製できるようになったので、今後は、アメリカカブトガニを含めた現存4種のカブトガニ類のヘモシアニンサブユニットの全アミノ酸配列を比較することによりカブトガニ類の系統樹構築をおこなえるであろう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Takasu: "N-terminal amino acid sequence comparison of hemocyanin subunits from the spiders, A.amoena, A.bruennichii, A.ventricosus, N.clavata and D.sulfureus." Acta Arachnologica. 46(2). 115-120 (1997)

  • [文献書誌] H.Sugita: "N-terminal amino acid sequence comparison of Asian horseshoe crab hemocyanins: Immu-nologically identical hemocyanin aubunits are orthologous in Asian horseshoe crabs." Zoological Science. 15(2). 295-299 (1998)

  • [文献書誌] H.Sugita: "Orthologous hemocyanin subunits between Asian and American horseshoe crabs and dupli-cation of hemocyanin subunits in American horseshoe crab lineage." Acta Arachnologica. 47(2). 109-116 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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