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1997 年度 実績報告書

染色体内構成ヘテロクロマチンの分化を標識としたヒト上科の進化

研究課題

研究課題/領域番号 08454279
研究機関京都大学

研究代表者

平井 啓久  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10128308)

研究分担者 今井 弘民  国立遺伝学研究所, 助教授 (10000241)
川本 芳  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (00177750)
キーワードヒト上科 / 構成ヘテロクロマチン / 減数分裂 / キアズマ形成部位 / キアズマ頻度 / テロメア / フサオマキザル / ニホンザル
研究概要

今年度は主に下記の2実験を行った。
(1)染色体末端にヘテロクロマチンを持つチンパンジー、それを持たないオランウータンを対象として、ヘテロクロマチンが減数分裂時のキアズマ形成に与える影響を比較解析する予定であった。しかし、両種の精巣から手術による精細管の摘出を行う機会が得られず、やむなく代りの種で解析した。チンパンジーの代りとして、末端や介在部位に比較的多くのヘテロクロマチンを有するフサオマキザル(染色体数2n=54)を、オランウータンの代りとして、末端や介在部位にヘテロクロマチンを全く持たないニホンザル(2n=42)をそれぞれ用いた。精巣から摘出した精細管から染色体標本を作製し、普通染色とC-バンド染色によってキアズマ部位の観察とキアズマ頻度の検出を行った。その結果、フサオマキザルでは、介在ヘテロクロマチンを有する染色体は、ヘテロクロマチンの干渉によるキアズマ形成部位の著しい偏りを示し、キアズマ頻度はFXi=32.4、FXit=39.8であった。ニホンザルでは、フサオマキザルのようなキアズマ部位の偏向はみられず、頻度はFXi=21.0、FXit=29.0であった。したがって、染色体末端にヘテロクロマチンを持つチンパンジーにおいても、ヘテロクロマチンによるキンズマ形成部位に偏向があると予測される。来年度は、チンパンジーの減数分裂を解析する予定である。
(2)減数分裂時の染色体の末端における細胞学的な連合が、末端キアズマか末端接触かの問題を分析するため、マウスとフサオマキザルの減数分裂染色体のテロメア位置をテロメアプライマー(CCCTAA)_7を用いたPRINS法によって確認した。その結果、顕微鏡で末端接触と診断される連合は、4個の末端テロメアのシグナルが正方形を形成し、キアズマと確認できるものは長方形を形成することが観察された。したがって、前者は遺伝学的交叉の意味でのキアザマではなく、テロコア融合と判断された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hirai et al.: "Tandem duplication of nucleolus oranozer region (NOR) in the Japanese macaque,Macaca fuscata fuscata." Chromosome Research. 6・3. 1-7 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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