研究課題/領域番号 |
08455016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
早川 和延 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80218552)
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研究分担者 |
中村 浩次 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (70281847)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60250479)
武笠 幸一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001280)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 交換相互作用 / 交換相互作用力顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 第1原理計算 |
研究概要 |
物質表面の磁性を原子レベルで評価するための新たな顕微鏡「交換相互作用力顕微鏡」の開発を進めてきた。これは原子間力顕微鏡(AFM)をさらに拡張し、深針と試料の電子スピンに依存した交換相互作用力を活用する。本研究では、実験技術開発の着手に先立ち以下の考察を行った。 (1)理論的研究から探針・試料間に働く交換相互作用の評価:探針・試料間の交換相互作用力の力の大きさを評価する目的で、2枚のbccFe(001)薄膜系モデルを用いて第一原理計算から評価した。薄膜間距離d/aが0.5〜1.7の領域で交換相互作用エネルギーが生じることがわかった。ここでaはFeの格子定数(2.83∃)である。交換相互作用力は、d/a>1.0で10^<-9>N、1.0<d/a<1.5で10^<-10>Nであった。現在すでに商品として販売されている原子間力顕微鏡の力測定感度は10^<-12>〜10^<-13>Nであることから、本研究で注目している交換相互作用力の測定が力の大きさでは可能であるとの結論を得た。また、交換相互作用力を活用することにより、表面の磁気構造を原子レベルで観察することができることがわかった。 (2)探針・試料間の交換相互作用力の測定法およびEFM実機の基本設計の指針:上記(1)の理論的評価により、交換相互作用力を測定するには探針・試料間距離を非常に小さい領域で制御する必要があることがわかった。しかし、現在のAFMの測定機構では、探針の試料表面へのジャンプ効果が生じる。これは探針にかかる力がカンチレバ-の剛性を上回るためである。この技術的課題を解決することがEFM実機実機の成功の鍵である。この対策として、ジャンプ効果が生じないように、カンチレバ-を何らかの力で支える方法が有効であることを示した。
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