研究課題/領域番号 |
08455022
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
堀池 靖浩 東洋大学, 工学部, 教授 (20209274)
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研究分担者 |
一木 隆範 東洋大学, 工学部, 講師 (20277362)
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キーワード | フッ素 / 水素終端Si表面 / 自己停止反応 / XPS / Si-F結合切断しきいエネルギ / 酸化 / 水素ラジカル / 無損傷化 |
研究概要 |
昨年度、5%F_2/Heを水素終端Si(111)に曝露したところ、5×10^5L以上のド-ズで、終端水素が除去と同時にSi表面がフッ素で終端され、SiF単分子層の形成され、初めてフッ素による自己停止反応が見出された。また、フッ素終端へSi面は純水リンスで容易に酸化されることも判明した。そこで、形成されたSiF単分子層をlayer-by-layerに除去するため、最初、原子的に平坦なSi(111)面を水素終端し、(1)フッ素終端、(2)純水によるSiの酸化、(3)1.5%HFdipによる酸化膜除去と水素終端の過程を一サイクルとして繰り返すことを試みた。3回繰り返し、その表面をXPSで観察した結果、まず、F終端表面の純水による酸化は、Siのon-topとback bondに酸素が挿入して形成され、その酸化膜がHFで除去されたので、2原子層ずつ除去されることが分かった。しかし、表面荒れの進行のため、フッ素がステップ端を終端し、そのフッ素量は回数の増加と共に増加して行くことが見られた。次に、本来の目的のドライ系の確立のため、Ar^+イオンを1eVずつ増加させてSiF単分子層表面に照射してF-Siの除去エネルギのしきい値を求めることを試みた。除去の確認はXPSで行った。その結果、18eV付近から除去し始めることが判明した。更に、高温W板と水素ガスの接触により水素ラジカルを生成し、露出したSi表面に照射して水素終端を試みたが、残留ガスによると思われる原因で酸化され、現在、排気系の改善に務めている。
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